しかつきかふぇ

ちょっとした休憩時間に

最近ハマってた本――無彩限のファントム・ワールド

今週末は、いわゆる『転生もの』のアニメをAmazon Primeで観ていました。

私自身、この手のお話は苦手で、原作なども一切読んだことなかったのですが、
来年は『異世界ものっぽい小説』に挑んでみようと計画中でして、
それでその手の代表作のアニメを観ておこう!という具合だったんです。

まぁそれが何であるかは一応伏せておきますが、、、
えーっと、某IT系でよくお世話になる団体でポスターにも採用されたこともあるアレ
……と書いておけば、わかる人にはわかりますね(笑)

感想、まじでめっちゃ話が軽い!!!
伏線とか微妙だし、ストーリー展開は強引だし、とにかく雑だな〜と。
原作だともうちょっとマシなんだろうか???

最近私がハマった異世界もの(?)の小説、『無彩限のファントム・ワールド』と比較すると
かなり、なんだかな〜という印象でしたね。

……というわけで、今日は『無彩限のファントム・ワールド』のお話です。(ん?

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無彩限のファントム・ワールド』って?

www.kyotoanimation.co.jp

秦野宗一郎氏(イラストしらび氏)が書いている、KAエスマ文庫の小説です。
第4回京都アニメーション大賞小説部門奨励賞受賞作品で、アニメ化もされてますね。

学園モノで、『ファントム』と呼ばれる怪物(?……幻想とも言う)と、(主に)戦います。
最後の方は、悪魔とか堕天使だとか
もはやなにが『ファントム』なのか完全にわからん感じですが。

原作は第3巻まで発売されています。
……が、最近は入手困難なんですよね(汗)
私は先月この作品を知って買い揃えましたが、めっちゃ苦労しました……

大学で文学を学んでいた私としては、非常に読み応えのある作品で、
純文学として読んでも十分に面白いんじゃないかな?と感じました。

アニメ化もされたんでしょ?

phantom-world.com

こちらがアニメのサイトです。

私の正直な感想、『惜しいけど原作とは似て非なるもの』という印象です。
こんなに素晴らしい原作がありながら、それを完全にコメディとして仕上げてしまったので
とてももったいない感じがします。

……まぁそれでも十分に楽しめるアニメではあると思うのですが、
もう少しやり方があったのではないかと^^;;

無彩限のファントム・ワールド』の魅力とは?

圧倒的に広大な世界観だと思ってます。
私も小説を書いてますが、こればかしはさすがに真似できませんね(笑)

一例としてあげるなら、特殊能力を発動するときに語る『PAROLE(パロール)』。
ようは呪文のようなものです。
主人公の晴彦たちは、『PAROLE』を駆使しながら、ファントムに挑むわけですが、
これがまた奥が深くて、それだけで論文一本書けてしまいそうな……(笑)

今日はその『PAROLE』を紹介しながら、
無彩限のファントム・ワールド』について語ろうと思います。
※ただし、現在1巻と2巻を知人に貸出中なので、引用は3巻から

一条晴彦の『PAROLE』

前いまし今いまし先いまし忌まわしき魔主こそ我なり!
ZAZAS(ザザース)、ZAZAS(ザザース)、NASNAZAS(ナスザザース)。
凶将の魔将たる真性(ましょう)を狂生(きょうしょう)せん!
INVOKE(インヴォーク)! マルコシアスよ、ルシファーよ! 

〜第3巻 p307より〜

原作3巻目のほとんど最後の場面で使われたPAROLEです。
これはアニメにも出てきたPAROLEですが、でもアニメを観ていた方は『あれ?』と思うかも。
よく見ると若干違いますよね。

『魔主こそ我なり!』……この辺りを書いてしまうとネタバレになってしまうので、
ぜひ原作を読んでいただけたらと思います。

川神舞の『PAROLE』

五行万象を発生(はっしょう)し、五臓(ごぞう)の御形(ごぎょう)を五常(ごじょう)とし、
五指(ごし)に満つ! 蛤ッ!

〜第3巻、p217より〜

『五行の力』というのはアニメ版でも出てきたおなじみのあれですね。
武闘派の川神舞は『五行の力』でファントムに挑みます。

川神舞のPAROLEは多くのバリエーションがあるので、
それをひとつひとつ楽しむのも面白そうです。

水無瀬小糸の『PAROLE』

開け開け開けよ、天地開闢(てんちかいびゃく)の調べ!
調べ調べ調べて、シリウスの焔を知らしめせ!

〜第3巻、p221他より〜

川神舞とは逆に、全然バリエーションがないのが小糸ですね。
アニメでもすっかりおなじみになったと思います。
(アニメだと『開け』と『調べ』の数が一個多かったかも)

和泉玲奈の『PAROLE』

神々(しんしん)として清々(しんしん)とした深森(しんしん)の乙女は飢え乾くが定め!
されどそは、暗き満ち夜(よ)の森の間に、ひとすじの道を開くため!
虚無駆ける道(ニヒスティック・ロード)!

〜第3巻、p196より〜

玲奈ちゃん唯一にして最強のPAROLE、ニヒスティック・ロードです!
(ただし、いくつかPAROLEにパターンはあるようですが)

これがアニメには一切出てこなかった特殊能力で、
第1巻から第2巻へと繋がる、非常に重要な能力のはずなのに、
アニメは完璧に無視してくれたんですよね!!!
この辺りを描くことができれば、もう少しアニメとしてもまとまったのでは???

話をまとめると……

無彩限のファントム・ワールド』は、本当に一つ一つの言葉選びが優れていると思います。
こういうの書けるようになったらすごいだろうな〜と思うのですけどね。。。

秦野先生、新作(あったら)楽しみにしています!!!